自称「元ディーラー」の新車値引き情報は正しい?
ネット上の新車値引き相場や目標の情報はウソだという主張があります。一方「元ディーラー」を自称する情報源も良く見かけますが、信じて良いのでしょうか?
新車値引き情報の「正しさ」について考察しました。
本物のディーラー関係者が会社の秘密をばらして大丈夫?
自称「元ディーラー」の中には、自分はディーラーの中の人しか知り得ない値引き情報を持っている、だから他の情報源よりも正しいのだと主張する人もいます。
内部情報とは、たとえば次のようなディーラーの値引き方針のことです。
- 車種ごとの値引きの目安
- セールス担当が使える値引き枠
- 店長決済・本部長決済の基準
このようなディーラーの値引き方針は、販売戦略上の重要な企業秘密です。当然、内部関係者には守秘義務があります。たとえ辞めた後でもです。
もし本物のディーラー関係者なら、守秘義務違反がバレて裁判沙汰になるリスクは無視できないはずです。
本当にディーラー関係者なのか証明できない
「元ディーラー」の替わりに、ディーラーの「友人」、「知人」、「身内」というパターンも想定されます。
友人・知人が欲しがっている車種についてだけ、それも1度きりなら、ディーラー関係者が会社の値引き方針をコッソリ教えることがもしかしたらあるかもしれません。
しかし複数の車種の値引き情報を継続的にネットで公開しているとしたら、それはディーラー関係者から友人に伝わった内部情報とは考えにくいです。
いずれにせよ、ネット上で自分がディーラー関係者だと言い張ったとしても、実際の所属を公表できない以上、それを証明することは不可能です。
info中には、しっかりしたメディアで「元ディーラー担当者」に取材する形をとっている記事もあります。ただし、値引き方針のような機密情報について話されることはありません。
もちろんディーラー関係者を自称する人が偽物だと断定はできません。しかし確証が持てない情報である以上、それだけを頼って行動するのは避けた方が良いでしょう。
本物であっても、その情報の全てが特別なわけではない
「元」ディーラーということなら、おそらく現役ではありません。たとえ本物であっても、値引きにかかわる最新の内部機密情報にアクセスすることは、今はもうできないはずです。
また、ディーラーといっても、所属できるのは1つの地域の1つの新車販売会社に限られます。本物だとしても、全国各社の値引き方針までは知りようがありません。
まして複数のメーカーをまたいで、各ディーラーの持つ値引き関連の内部機密情報を知ることも不可能です。たとえ元トヨタのディーラーだったとしても、ホンダや日産のディーラーの内部情報までは分からないのではないでしょうか。
以上のように、たとえ本物のディーラー関係者の情報だとしても、その全てが特別とはな内部情報とは限らないのです。
新車値引き相場・目標情報はウソと言えるのか?
完璧に正しくないデータはウソなのか?
実際の問題として、新車値引きの目標や相場の情報にある程度の誤差が生じるのは避けられません。でもそれは「ウソ」なのでしょうか?
「ウソ」の意味を見てみましょう。
うそ【嘘】
- 事実でないこと。また、人をだますために言う、事実とは違う言葉。偽 (いつわ) り。「嘘をつく」「この話に嘘はない」
- 正しくないこと。誤り。「嘘の字を書く」
- 適切でないこと。望ましくないこと。「ここで引き下がっては嘘だ」
言葉の定義によれば、だます意図の有無によらず、正しくなければ「ウソ」に該当するようです。
しかし、統計上の誤差を「正しくない」とか「ウソ」と断じるのは、あまりに厳しすぎます。
誤差を完全に排除するには、全数調査するしかありません。しかし、販売された新車の値引き額のデータを全て入手することなど不可能です。
ディーラーは地域別なので他県の値引き情報は知らないでしょうし、もしメーカーの方で分かっていたとしても、外部に情報を漏らすことは考えにくいです。
結局、限られた数のデータを使って統計を取るしかないのです。それを「ウソ」呼ばわりされるのでは、値引き情報を集計して公表する人がいなくなってしまいます。
ちなみに、限られたデータにしかアクセスできないのは「元ディーラー」や「ディーラー関係者」も同じです。自分だけは完璧な情報源にアクセスできるかのようにほのめかすのは、フェアではありません。
どんな誤差が想定される?
では、どんな誤差が想定されるのでしょうか?
新車購入者全体に対して、数の限定された集計結果には偏りがある可能性はあります。
たとえば地域差。大都市部はディーラー間の競合が激しく値引きは比較的多く出やすいです。反対に、人口の少ない地方の市町村では値引きは少なめとなります。
また、たいていの値引き相場情報はアンケート調査に基づいていますが、アンケートに応じる人と応じない人で傾向に違いがある可能性があります。
調査に応じる人は以下のような傾向があることが考えられます。
- 値引き額に満足している
- 値引き交渉の進め方や結果に自信がある
- 値引きにウルさい(他人より自分の値引きが少ないのを許容したくない)
こういった集団の値引きの平均は、全体の値引き平均よりも多くなることが予想されます。
完璧に正しい値引き相場が分かるまで情報収集すべき?
値引きの相場を言い当てても値引きは増えない
新車の値引き相場や値引き目標の情報の精度にこだわる人はけっこう多いようです。
しかし、新車の値引き交渉は、値引き相場を言い当てるゲームではありません。本当に正確な相場が分かったとしても、そのご褒美でディーラーが値引きアップしてくれることなどないのです。
値引き相場や値引き目標の情報は、どこまで値引き交渉を頑張るかの目安にすぎません。
たとえばライバル車(店)ディーラーでも見積もりを取って(相見積もり)、競合させると値引き交渉に効果的です。どれだけ多くのディーラーを回ったかで、値引きの結果も変わってきます。
肝心の値引き交渉をおろそかにして、値引きの相場・目標の情報の精度を追い求めるのに時間をかけすぎるのは、あまり得策ではないでしょう。
値引き目標は幅を持たせておく
完璧に正確な値引き相場・目標情報を追い求める替わりに、値引き目標に幅を持たせておくと良いです。たとえば「12万円」ではなく、「10万円から13万円の間」といった感じです。
まずは複数の情報源にあたります。
- 雑誌:「月刊自家用車」 など
- ネットの新車値引き情報サイト:いくつか調べれば十分です
ご参考この中に「元ディーラー」の情報を入れても構いません。情報源として、その1つだけに頼らなければ良いのです。
調べた情報のうち、飛び抜けて値引きが多いものや、逆に少なすぎるものは省いた方が良いでしょう。
残った値引き相場・目標は多少バラツキがあるでしょうが、どれか一つ正しいものを選び出すのではなく、バラツキの幅を持たせたまま参考にするようにしてください。
実際に商談を始めてみて、その値引き目標の一番低いレベルにもなかなか到達しない場合は、もっと競合をあおる必要がありそうです。
逆に、いきなり一番高い目標レベルを楽々クリアするようでしたら、目標を上方修正しても良いかもしれません。
まとめ
最後に、このページでお話したことをまとめます。
- 自称「元ディーラー」の値引き相場情報だけに頼らないこと
- 関係者が内部機密情報である値引き方針を公表するのは守秘義務違反
- 自称「元ディーラー」が本物である証明は難しい
- 本物だとしても他県ディーラーや他メーカーの内部情報までは知らない
- 誤差があるだけではウソの値引き情報とは言えない
- 全数調査は無理。誤差が生じるのは仕方がない
- 集めたデータに偏りがあるかもしれない
- 「元ディーラー」も全数調査結果は知らない
- 完璧に正確な値引き情報をいつまでも追い求めるべきではない
新車の値引き相場・目標の情報は値引き交渉の目安として扱う
- 値引きの相場を言い当てても値引きは増えない
- 複数の情報源に当たり、値引き目標には幅を持たせる
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